スペインとイタリアの若者の年末年始の過ごし方について。
今回の比較対象は、
スペイン: バルセロナ
イタリア: カラブリア
【共通点】
・クリスマスは家族と過ごす
・大晦日は友達と過ごす
・学校は12月21日頃〜1月6日頃まで休み
・大晦日の夜は大盛り上がり
・大晦日は豪華な食事を楽しむ
・新年を祝うチャットが鳴り止まない
【相違点】
① 大都会、バルセロナの若者は必ずと言って良いほど、新年へのカウントダウンイベントへ参加するが、カラブリアの若者は仲の良い友達と、もしくは恋人と、ゆっくり食事を楽しみながら『カウントダウンのTVを見る』方を好む。その主な理由は2つ「街まで出ると帰りの足がないから」と「みんなでワイワイするより好きなメンバーでいつも通り話をしながら楽しく過ごしたいから」。
② 食べ物にも違いがある。スペインは、下の記事の②で説明をしたように、12粒のブドウを食べながら新年を迎える。
スペインは毎日夜になると道にビールやバラを売る人たちが現れる。雨が降り出せば傘を売り始める、あの働き者集団。彼らは、大晦日の夜だけ小袋に入った12粒のブドウを売る。事前にスーパーや市場で買う時間が無かった若者は、その人たちから買って、カウントダウンの広場へ向かう。家の中だけかと思いきや、外でもちゃんとみんな食べる。
イタリアの大晦日の夜に食べる定番料理 (Cotechino con Lenticchie: レンズ豆とソーセージ煮込み) は、日本の「年越しそば」、スペインの「12粒のブドウ」とは少し違う。日付が変わる瞬間に食べるものではない。夕食を終えた後、日付が変わる少し前に「レンズ豆とソーセージの煮込み料理」を食べると、翌年金運が上がると言われている風習らしい。が、聞いたことがあるだけ。一緒に過ごしていない友達も、0時ジャストはみんな甘いものを食べている様子。現に、カラブリアで迎えた初めての大晦日の夜は、パネットーネにホットチョコレートをかけて食べた。
【どこへ行く?】
バルセロナでは、スペイン広場で1番大きなカウントダウンイベントが行われている。去年、2018年の大晦日はこの場所が「テロに狙われてたら怖いな」と思い、カタルーニャ広場のカウントダウンに行った。スペイン広場に比べると、規模は小さかったけれど、それでも大盛り上がりで楽しかった。何より家から近く、すぐに帰れたのが嬉しかった。
カラブリア大学生は、7〜8割が最寄りのコゼンツァという街のカウントダウンイベントに参加する。毎年、無料野外コンサートが開催され、有名な歌手が来てくれる。みんな、それが誰なのか気になって気になって…。
バルセロナの「スペイン広場」と並ぶ、大規模イベントはやっぱりマドリッドの「プエルタデルソル広場」のカウントダウン。いつか、あの18世紀から続く有名な時計の針を見ながら新年を迎えてみたいと思う。(当時は、あの時計の時刻がスペインの標準時刻だった。)
【年明け】
スペインは1月6日のレジェスマゴス (東方三賢者) という祝日までは、楽しいバケーションムードが続く。が、大学生は1月3日頃から休み明けのテスト (l'avaluació continuada/única) に向けて勉強を頑張り始める。イタリアの大学生も、1月に試験 (l'appello invernale) があるため、徐々にテストモードに切り替える。
【蛇足】
ヨーロッパで過ごす時間が長くなればなるほど、日本の定番挨拶「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」が、奥ゆかしく、懐かしく思えてくる。お正月になかなか帰れず、毎年、口に出して直接誰かに言えない寂しさを感じる。スペインとイタリアの『明けましておめでとう!』は、日本のものとやや違う。こちらはパーティーの雰囲気に近い。「いぇーーーーい!おめでとーー!」という感じ。
…リアルタイムでは見れないけど大晦日の、ガキ使楽しみ。
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