スペイン語で「ちょっとの間」を表す un rato (ウンラート) は、会話の中でよく使われる単語の1つである。
・Quiero salir un rato.
(ちょっと外に出たい。)
・Quiero hablar un rato.
(ちょっと話したい。)
・Estuve esperando un rato.
(ちょっと待ってたよ。)
・Voy a dormir un rato.
(ちょっとだけ寝るよ。)
果たして…
un rato は…
2,3分?15分?30分?1時間?
【定義】
un "rato" がどれくらいの時間を表すのか、正確な定義は存在しない。そのため、5分、10分、30分、2,3時間…と、文脈や状況によってその長さは変化する。基本的には『はっきり〇〇分とは決まっていない短時間』を表し、時間の短さを強調したい時には -ito を語尾につけ、un "ratito" と言う。⚠️ ratazo は存在しない。
・En un ratito termino este trabajo y te llamo.
(もうちょっとでこの仕事を終わらせて、電話するよ。)
・El bebé lloró un ratito pero pronto se durmió.
(赤ちゃんは一瞬泣いたけどすぐに寝たわ。)
【イメージ】
Estudié un rato.
➡︎ 15分〜45分
Charlamos un rato.
➡︎ 30分〜1時間
Cada noche leo un rato antes de dormirme.
➡︎ 20分〜30分
Voy a llorar un rato.
➡︎ 10分〜30分
⚠️ 動詞 vivir (住む) を用いて「ちょっとの間、バルセロナに住んだことがある」という時に un rato は使えない。vivir の概念は数分〜数時間ではないため。その代わりに使える表現は、un tiempo, unos meses, unas semanas, un par de semanas など。
日本語の「ちょっと」と同じ意味だと考えてOK!
例えば、
近所の郵便局に行く予定だった友達の車が故障してしまった。自分は仕事に行かなければならないが、20分ほどで良ければ貸してあげられそうだ。だからその子に「もしあれだったら、ちょっと車貸してあげるよ」と言いたい。これはスペイン語で Si quieres, te dejo un rato mi coche. となる。
【他の使い方】
・A cada rato (頻繁に)
➡︎ Mi hermano me pide ayuda a cada rato.
・A ratos (たまに)
➡︎ Me duele la cabeza a ratos.
・Pasar un buen rato (楽しい時間を過ごす)
➡︎ He pasado un buen rato con vosotros.
【雑学: Hace rato と Hace un rato の違い】
話す国によってニュアンスは異なるが、
Hace un rato = 数分前
Hace rato =しばらく前
と、理解している人が多いはず。
私もその1人。
Hace rato que llevo esperando.
= 待ち始めてから結構時間が経った
Hace un rato que llevo esperando.
= 待ち始めてまだ数分
Hace rato que lo estaba pensando
= それを考え始めてから結構時間が経った
Hace un rato lo estaba pensando
= ちょっと前にそのことを考えていた
Hace rato estaba aquí.
➡︎ 1時間〜2時間前にここにいたのかな?
Hace un rato estaba aquí.
➡︎ 数分前にここにいたのかな?
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