今や、ラバル地区のシンボルにもなっているこの大きな大きなネコ。
これは1987年にバルセロナ市役所が Fernando Botero (フェルナンド ボテロ) という彫刻家から購入したもので、彼の名前をとって El Gato de Botero (ボテロの猫)、あるいは Gato higante (巨大猫)、Gato gordo (太った猫) と呼ばれる。
ボテロは1932年生まれのコロンビアの画家・彫刻家で『もっともコロンビア人らしい芸術家』と非常に名高いアーティストだ。
昔から今の場所 (ラバル地区のランブラス) にあのネコはいたのかな?と思いきや...15年のもの間、転々とし...ぴったりの「家」を探していたらしい。
まず、最初に設置されたのはシウダデラ公園 (Parque de la Ciutadella)。もともとこの横にある動物園のシンボルにしようと、購入したため、躊躇なく即日置かれた。
それから5年後の、1992年。バルセロナでオリンピックが開催されることとなり「多くの人に見てもらおう!みんなこれを気にいるぞ!猫は世界中で人気だから反響を呼ぶんじゃないか!」と、オリンピックスタジオ (Estadio Olímpico) に移動。
期待通り、足を運んだお客さんたちからは大好評だった。そして、オリンピック終了後はブランケルナ広場 (Drassanes駅の近く) へ…。
次はなぜこんなマイナーで小さな広場に移動したのかと言うと、その近くにある「バルアルド庭園 (los jardines del Baluard) を見守って欲しい」という願いがあったそう。しかもオリンピックスタジオがあるモンジュイックの丘から運ぶのもここなら簡単だし!と。
しかし、
海が近くだったため銅像にとって良いコンディションと言える場所はでなかった。
…再び、移動。
...
このように15年の間に3度も移動が繰り返された銅の巨大猫だが、その大きさはなんと横7m、高さ2m、幅2m、重さ2200kg!
今から16年前の2003年、現在の位置、Rambla del Raval (ランブラ デル ラバル) にネコが来た!市民たちは『やっと猫は自分の家を見つけたか!』と喜んだ。
【ラバル地区のランブラス】
いくつかの小説に登場したことがあるほど伝統がつまっている道で、昔から人々が集まる憩いの場として親しまれてきた。現在はカフェテリアやバルが周りにはたくさん出来て、テラス席があちこちに見受けられる。天気がいい日の夕方は子供達がよく猫の近くで遊んでいる。カタルーニャ広場からは徒歩13分、最寄りのメトロ (Liceu) からだと徒歩7分と、中心地にあるのでアクセス良好。
【この猫には家族がいた】
バルセロナの空港ターミナル2-Bには caballo de Botero (ボテロの馬) という作品がある。ボテロを知ってる人なら一目見ればわかる、これまた特徴的な銅像だ。残念ながら多くの観光客が利用するターミナルは1なので見る機会はあまりない。
馬も結構なサイズだが、猫と比較すると...小さい。
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