イタリアのカフェテリアやバルには、1つだけ、今までに見たことのない名前のコーヒーがあった。
エスプレッソコーヒー
カフェラテ
ノンカフェインコーヒー
ジンセンコーヒー
カップチーノ
カフェコルタード
カフェルンゴ
チョコレート
紅茶
...
友達がカフェテリアで「ginseng (ジンセン) 」を頼んでいるのを初めて見た日、どんな味なのか聞いてみた。
チョコレートっぽい味?→ いや〜…
ココアっぽいの?→ ちょっと
コーヒー味?→ う〜ん…ちょっと
苦い?→ いや、甘い
砂糖は入ってるの?→ 入ってないと思う
美味しい?→ めちゃくちゃ美味しい
と、イマイチ想像がつかない返事ばかりだった。その日は試すことなく、私はカップチーノを注文。そして翌日「ジンセンの味はね〜飲んでみた方が早い!美味しいし健康的だから!ほら!」と言われたので飲んでみることに…。
【どんな味か】
コーヒーと黒糖とキャラメルが混ざった味で、砂糖を入れなくても十分甘い。少し変わった甘さ?な気がして、人工甘味料 (サッカリン) でも使ってるんだろうな〜と思った。口当たりはとても良い。チョコレートや甘いものが大嫌いな私でも美味しく飲めるドリンク。
【ジンセンコーヒーって何?】
流行のピークは2010〜2014年だったが、今でも人気の高麗人参入りコーヒー。ジンセンの学名は Ginseng Panax と言い、元は韓国の植物。このコーヒーの成分を調べてみると、面白いことに…ジンセン(高麗人参のエキス) はたった1%しか入ってなかった!あとの成分は、粉ミルク20%、(可溶性)コーヒー10%、ブドウ糖シロップ、大麦、キャラメル砂糖、ライ麦、チコリ、アロマ、マルトデキストリンなど。
スーパーのコーヒー売り場にも…
意識してなかったけどジンセンあった!
【コーヒーを卒業する人が多い】
イタリア人は子供の時からコーヒーを飲む人が多く、カフェインの多量摂取が度々懸念されている。「コーヒーの飲みすぎ=カフェインの摂りすぎ=体に悪い」という意識は勿論、彼らの中にもあり「ちょっと今日はもう3杯飲んだからやめとくよ」とか「もうコーヒーやめたんだよね」と自らセーブをかける言葉を聞くことも。タバコをやめた宣言をするみたいに「コーヒーやめた!」という若者が多いのには驚いた。紅茶に変えたって人もいれば、ジンセンをたまに飲むだけにしたって人も。
昼食後と仕事や勉強の合間に飲む砂糖をたーっぷりいれた濃い〜エスプレッソはジンセンに置き換える。でも、朝は絶対カップチーノかエスプレッソ!そこは譲れない!と、捨てきれない強い概念も持ってる人も。
【ジンセンと普通のコーヒーの値段】
大学のカフェテリアでは、
・エスプレッソ 0.50ユーロ (65.5円)
・ジンセンコーヒー 0.80ユーロ (104.8円)
普通のカフェテリアでは、
・エスプレッソ 1ユーロ (131円)
・ジンセンエスプレッソ 1.20ユーロ (157.2ユーロ)
という感じで、ジンセンの方が少しだけコーヒーより高い。
【日本発祥のコーヒーだと思ってる件】
何人ものイタリア人が日本からきたコーヒーだと思ってる。最初、私が知らなかった時「なんで日本人が知らないの〜〜」と言われたが、ジンセンって響きは日本語っぽさもないし、聞いたこともないから違うよと、携帯片手に調べると…やっぱり違った。
この国でもどんどん健康志向が高い人が増えてるから、ジンセンコーヒーはこれからも人気を維持するだろう。
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