BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活11年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【時制の多さ】スペイン語が難しい理由

『スペイン語はロマンス諸語 (ローマ帝国内で話されていた口語ラテン語に起源をもつ言語) の中でもっとも文法が入り組んでいて複雑』と言われている。

1番の理由は、時制の数の多さ。

そして、

・動詞の活用の多さ
・イレギュラーな活用をする動詞の多さ
・人称代名詞 (le,lo,la) の違いが細かい
・名詞の性の種類
・porとparaの使い分け
・接続詞の使い方 (que, quien, el cual, los que, en el que)

などが理由として挙げられるようだ。

私がスペイン語の次に話すことができるロマンス語は、イタリア語だが、イタリア語とスペイン語の文法の難しさ (複雑さ) は雲泥。先にスペイン語をしておいて本当に良かったと思うほど。イタリア人の友達もスペイン語の時制の使い分けになかなか苦戦している。だから日本人が苦戦するのも無理ない。でも、時間軸のイメージをちゃんと頭に浮かべられたら何も難しくない。

今日はそんな、難しいと言われるスペイン語の時制について簡単にまとめる。

 

まず、スペイン語には大きく分けて2つの時制がある。

indicativo (直説法) と subjuntivo (接続法)

…日本語で直説法や接続法と聞いてわかる人はまずいないから、この日本語は覚える必要がない。よく使うのは indicativo の方。

まず最初に覚える現在形 (プレセンテ) は、comer (食べる) なら como, comes, come, comemos, coméis, comen と活用する。この形は文法的に、直説法現在形 (presente de indicativo) と呼ぶ。

普段の会話の約70% indicativo

subjuntivo は、

・想像や理想の話をする時
・1つの文の中に主語が2つある時
・否定の文章
・情報の不確かさや疑いがある時

に用いる時制で、これをマスターできたら中級以上。

inticativo の時制は、一応9種類ある。が、下3つは覚えなくても良い。使う頻度がとても低い。

現在 (presente): estudio
点過去 (pretérito): estudié
線過去 (imperfecto): estudiaba
未来 (futuro): estudiaré
過去未来 (condicional simple): estudiaría
現在完了 (pretérito perfecto): he estudiado
過去完了 (pretérito pluscuamperfecto): había estudiado
過去未来完了(condicional compuesto): habría estudiado
未来完了 (futuro perfecto): habré estudiado

よく使う6つの時制を図にしてみた。

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現在完了 (pretérito perfecto)・点過去 (pretérito)・線過去 (imperfecto) の使い分けも難しいと言われている。

【現在完了 (pretérito perfecto)】
過去のことでも現在に関係があれば「現在完了」を使う!もれなく時間を表す単語『今日、今週、今月、今年など』がつく。

Esta semana he ido a Barceloneta muchas veces.
(今週バルセロネータに何度も行った。)

Este año he leído 20 libros.
(今年20冊の本を読んだ。)

【点過去 (pretérito)】
現在まで継続されてない過去に終わった動作。具体的な過去の時間を表す単語『去年、2年前、先週の水曜、5ヶ月前など』がつく。

El lunes pasado fui a la Sagrada Familia.
(先週の月曜にサグラダファミリアへ行った。)

Hace 3 tres fui a Francia para ver a un amigo.
(3年前、友達に会うためにフランスへ行った。)

【線過去 (imperfecto)】
過去の習慣について話す時に使う。ある一定の期間、時間していた動作について話す時に使うから cuando (〜の時) と一緒に。

Cuando era niño, no me gustaba estudiar.
(小さい時、勉強するのが好きじゃなかった。)

Cuando iba a la uni, encontré a Luís.
(大学に行っている時、ルイスに会った。)

 

一体、スペイン語にはいくつの時制が存在するのか?

それは下の表を見れば一目瞭然。1つの動詞 estudiar (勉強する) に、これだけの活用形がある。…1つの動詞でこの量!

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こんなに時制があるの?無理!難しい!と、ネガティブに考えるべきではない。時制が多い=細かいニュアンスで物事を伝えれる。前に一度、記事で書いたことがあるけど、現にイタリア人は ↓ の1と2違いが全く理解できず、2も3も4も同じじゃないかと言う。

1. He estudiado.
(現在完了形): 勉強した。

2. He estado estudiando.
(現在完了進行形): 勉強していた。

3. Estoy estudiando.
(現在進行形): 勉強している。

4. Estaba estudiando.
(線過去): 勉強していた。

2と4の違いがわかりにくい!って思った人はもう一度上に載せてある矢印イメージ図を見てほしい。2は現在に続いてる過去。今も勉強してるかもしれない。でも4は現在はしてないけど過去に何時間かしてた。動作の始まりも終わりも過去の時に使う。

最後に、

subjuntivo (接続法) について少し触れる。

「私はあなたにバルセロナへ来てほしい。」

という文の中には主語が2つある。

➡︎ 接続法現在形 (presente de subjuntivo) の出番!

正: Quiero que (tú) vengas a Barcelona. 

誤: Quiero que vienes a Barcelona. 

あとは…

情報が定かではない時、疑いがある場面も subjuntivo。例えば友達と2人で「あの先生何歳だろうね」と会話をしてる時、その先生が40歳なのか50歳なのか定かじゃないのなら、

Ummm quizá tenga cuarenta....

"んー多分40…かなー。"

40歳にしか見えない!絶対40だ!とか、誰かから聞いたことある!って時は疑い度が低いから tenga じゃなくて indicativo (直説法) の現在形 tiene を使えばいい。

次の例文のように…

Cuando (yo) tenga 30 años, .....
(私が30歳になった時、…)

Cuando (yo) vuelva a casa, .....
(私が家に帰ったら、…)

Cuando (tú) vengas a Japón, ....
(君が日本に来た時、…)

Cuando terminemos este trabajo, ....
(私たちがこの仕事を終えた時、…)

未来の "〜の時" を表すには、絶対に subjuntivo

難しすぎる!と思った人はとりあえず subjuntivo は隅に置き、indicativo の時制を抑えよう!

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