スペインの迷信を耳にしたことがあるだろうか?「足が玄関の方に向くようにベットを配置してはいけない」「ハサミを広げたまま置きっぱなしにすると良くない」「ベットの上に帽子を置くと縁起が悪い」「朝、左足から歩き始めてはならない」など、日本では聞いたことがないものばかり。今日はなぜそんな迷信が生まれたのか、背景にも触れながらスペインで縁起が悪いと有名な言い伝えをいくつか紹介。
【足が玄関の方に向くようにベットを配置してはいけない】
死者が棺に入れられて家から出て行く時、いつも足から出ていくから、それと同じ方向で寝ると「死」が迎えにくる。
【ハサミを広げたまま置きっぱなしにするとよくない】
道具は使用しない時、閉じておかなければ不幸がやってくる。もしハサミが床に落ちて、刃があなたの方を向いて開いているなら急いで拾い上げ、塩を左肩にかけるべき。そうすると悪霊を追い払うことができる。ギリシャではギリシア神話に登場する運命の女神、モイラ三姉妹の末妹のアトロポス (Atropos) がハサミで人生の糸を切ると信じられていた。そのため、鋭利な道具は突然死のシンボルで、運命を左右する恐ろしいもの、と当時の人々は考えていた。
【ベットの上に帽子を置くと縁起が悪い】
これはスペインとイタリアの迷信で、ベットの上に帽子を置くと何か悪いことが起こると言われている。他にももう1つ「何も考えれなくなってしまう」という意味がある。帽子は頭や思考、個人認識のシンボルであるから、それをベットの上に置くと、心も頭も空になってしまう、と言われている…。
【朝、左足から歩き始めてはならない】
ケルトの伝統と太陽の動きからきているとされるこの考えでは「右=幸運」で、左足から始めると不幸な日になるとされる。もし、左足から1日を始めてしまった場合、3回 santiguarse (十字を切ること) で悪運を解消できる。「十字を切る」とはキリスト教徒の人たちが教会に入ったときにしているこれ ↓
【1本の同じマッチ棒で3本のタバコに火をつけてはいけない】
これも不幸をもたらすと言われる。これは第一次世界大戦やスペイン市民戦争の時に起こったある出来事から始まった言い伝え。戦争中、夜中に3人の兵士がタバコを吸おうと1本のマッチ棒を点火した。すると敵は1人目の炎を見て、だいたいの場所を見つけた。2人目のタバコに火がついた時、敵は確信した。そして3人目の番が来た時、タバコに火がつく前に敵の正確な銃のコントロールで頭を射抜かれてしまった。
【壁にぶら下がった絵が曲がったり落ちたりする】
古代ギリシアでは君主や優れている人の肖像画が地面に落ちてしまったら、近々その人は命を落とすと考えられていた。
【ハシゴの真下を通ってはならない】
これはとても有名でスペイン人から直接聞いたことがある迷信no.1のもの。ハシゴの2本の脚と壁が作る三角形が関係してるらしい。昔からキリスト教において三角形は三位一体のシンボルであり、とても神聖な形と思われていた。ピラミッドもその例の1つ。下を通過すると聖なるものを冒涜し、悪魔を引き寄せると言い伝えられている。もしハシゴの下を通過してしまって場合、いくつか救われる方法がある。犬を一匹見かけるまで指をクロスさせて歩くか、唾を靴の上に吐き、それが乾燥しきるまで待つか、フィガのサイン (中指と人差し指の間に親指を挟んで拳を閉じる) を作る。
フィガ ("figa") のサインはこれ ↓ 幸運をもたらすとされる。このフィガの起源はブラジルにあるが、古代のアフリカ・アジアの絵にもこのサインは残っている。現在ではアクセサリーや置物にもなっている。意味は、繁殖力 (特に女性)・悪を遠ざける・嫉妬を防ぐ・金運上昇。
【塩をこぼしてしまう】
この迷信は紀元前3500年まで遡る。その頃からもう塩は腐敗しないものと知られていて、友情のシンボルであった。だからもし塩をこぼしてしまうと、友情は壊れてしまうと人々は信じていた。こぼれた時はその塩を少しつまみ、左肩にかけるといい。そうすると呪いは消えるとか…。
【終わりに…】
どこの国の言い伝えにも何らかの起源があり、その起源は宗教や土地の歴史と深く関係している。この記事を読んでもらえるとわかるように、1つの迷信から様々な知識が得ることができる。「縁起が良いシリーズ」は下のリンクから!
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