スペインのスペイン語にも方言は存在する。地域によって語彙や発音が異なることはどこの国でもよくある。もし、「方言」で文法上の違いが生まれたらそれはどうか。正しい文法を理解して、使用できていれば問題はないのだが、自分が普段聞いている、使っている文法がまさか「方言」と知らないかもしれない。
LEÍSMO や LOÍSMO/LAÍSMO という言葉を聞いたことがあるだろうか。
今回はスペインの地域によって異なる代名詞の使い方について取り上げてみる。
スペイン語には、直接目的語 (me, te, la, lo, nos, os, las, los) と、間接目的語 (me, te, le, se, nos, os, les, se) が存在する。これらの代名詞は簡単に言うと「マリアにプレゼントをあげた。」の「マリア (彼女) に」という単語にあたる。
LEÍSMO: le/les を lo/la/los/las の代わりに使用する。
(例) Vi un coche. → Le vi.
LOÍSMO: lo/los を le/les の代わりに使用する。
(例) Da el regalo a María. → Dala el regalo.
LAÍSMO: la/las を le/les の代わりに使用する。
(例) Di un regalo a Marta. → Lo di un regalo.
「え、これなんかおかしい」と違和感を感じた人は正しい文法が使えている。正しい文法はあくまで Real Academia Española (通称: RAE) が規定してる基準の上で。
いくつかの例文を見てみよう、
- A María, toda su familia la estaba esperando.
- A María, toda su familia le estaba esperando.
どちらがしっくりくるだろう?
「 la が正しいでしょ!」と思った人は LAÍSMO。
文法的に正しいのは後者の le である。
次の例文ではどうだろう、
- Karin lo ha tomado en serio por su promesa.
- Karin le ha tomado en serio por su promesa.
正解は、le だから lo に違和感なかった人は LOÍSMO。
スペイン語の標準を規定しているのは上に記した RAE という組織で、RAE はこれらの LEÍSMO・LOÍSMO/LAÍSMO は文法的に誤っているとしている。しかし、いくつかの例外が存在する。きちんと文法を理解している人にとってはなんら難しい問題ではないが、もしかしたらこの記事を読んで気づく人も…。
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